読了の目安:約6分43秒

「仕事ツラいです…もう死にたいです…」保育士さんのお悩みを伺っていると、そのような悲痛なメッセージをいただくことがあります。”死”…決して軽々しく捉えてはならないことですが、実際には仕事や人間関係に疲れ、自殺が脳裏によぎってしまう方も多いようです。今日は「死にたい」と思う心理と、そんな気持ちへの対処法を考えていきましょう。

「死にたい」という人の心の状態とは

頬に手を当てる保育士
内閣府調査によれば、平成26年の日本における自殺者は25,427人。平成27年も10月末時点までですでに20,206人の自殺者が出ています。この数字は残念ながら亡くなってしまった方の人数ですが、「死にたい」と考えたことのある方の人数とするならば、きっとその何倍、何十倍もの数値に跳ね上がることでしょう。
 
保育のお仕事の相談窓口やSNSにも、苦しい思いを訴えるお声が寄せられることが多くあります。では「仕事が嫌だ」「ツライ」「辞めてしまいたい」にとどまらずに「死にたい…」という考えにまで及んでしまうのは、なぜなのでしょうか。

「死にたい」と思ってしまうようになる要因とは

人によってものの捉え方や置かれた状況はさまざまなので、一概には言えませんが、「死にたい」とまで考えが及んでしまう要因には以下のようなことが考えられます。
 

□ 命に関わるようなミスをしてしまった
□ 肉体的に過酷な労働環境がずっと続いている
□ 人間関係などの精神的ストレスが大きすぎる
□ 周囲に理解者がいない
□ 無意識に自己否定を繰り返してしまう

 
保育士は子どもの大切な命を預かる仕事です。業務上のミスで、例えば大きな怪我をさせてしまったり、させてしまう可能性を生んでしまったとすれば、周囲から責められ、自身も大きな罪悪感にさいなまれます。起きてしまったことは取り返しがつかず、思い悩むうちに責任の重さに耐えきれずに「保育士をやる資格などない…死んでしまえばいい」といった極端な思考に陥ってしまいがちです。
 
また肉体的、精神的に追い詰められた状態が続くことも、「死にたい」という思想に結びつきやすくなります。残業や持ち帰りでほとんど休めない状態が何カ月も続いている、職場で嫌がらせや暴言を受け続けている、このような状態が長く続けば、次第に心身は疲弊していきます。すると「辛い状況から死んで逃れたい」と感じたり、暴言を真に受けて「自分は死んだ方が良い人間なんだ…」と思ってしまったり…、正しい判断が難しくなってしまうことでしょう。
 
6月病
 
周囲に理解者がいないことも大変苦しい状況を作り出します。多くの場合「死にたい」という気持ちを他者に伝える場合には、本当に死を切望しているのではなく、心のどこかに救いを求める部分があると言われています。しかしそんなアピールに対して「あなただけがツライ訳じゃない」「弱音を吐いてはいけない」などと言われてしまったら…
 
周囲は励ますつもりで言った言葉でも、本人を「よくないことを考えている自分はダメな人間なんだ」という思考に至らせてしまいかねません。するとSOSが次第に出せなくなってしまい、気持ちを内に溜め込んでいっそうツライ状況に陥ってしまうのです。
 
これらの大きな課題を解決しようと頑張ったにもかかわらずうまくいかないことが長く続くと、自己嫌悪に陥り「自分は生きている価値がない」「もはや死ぬしかない」という極論に至りやすくなってしまいます。ネガティブ思考の傾向がある方ならなおさらでしょう。こういった自己否定の感情は、自分の良い点や他の選択肢に思考が向くのを阻害してしまいがち。だからこそ単なる「嫌だな・辞めたい」だけでなく「死にたい」という極論に至ってしまうのです。
 

真面目・責任感の強い人ほど自殺願望に陥りやすい?

小鳥のイラスト
では、大きなミスをしたり人間関係に困難を抱えたり…そういった環境に置かれた全員が「死にたい」といった思考に陥ってしまうか、といったらそうではありません。ここからは必ずしも当てはまるとは言えませんが、うつになりやすい方の特徴を参考に、自殺を頭によぎらせてしまいやすい人の特徴を考えていきます。
 

◆真面目/完璧主義◆
真面目で責任感が強く、なんでも完璧にこなさないと気が済まない…そのような仕事熱心人は要注意。なんでも真剣に捉えすぎ、「もっと頑張らなくては」と自身を追いこんでしまう傾向にあると言えるでしょう。
◆自分の意見を言えない◆
いつも聞き役に徹するタイプや、自分の思っていることをうまく人に言えない人は、頼まれたことに対してキャパシティを超えていても断ることができず、ストレスを溜めて
しまいがちです。
◆他人の評価を過度に気にする◆
自分自身の価値を、世間の賞賛や誰かの評価によってしか計れないという場合にも注意が必要です。例えば人間関係でうまくいかなかったとき、他人の悪口をそのまま自分の評価に当てはめてしまう危険性があります。
◆極端な思考など”認知のゆがみ”がある◆
ものの捉え方が偏っていると、例えば「上手くいかない=死ぬしかない」といった極端な思考に陥りがちです。特に認知のゆがみは自分自身意識していないこともあるので、ぜひチェックしてみましょう。
 
→認知のゆがみに関する関連記事を読む

 

「死にたい」あなたを守れるのは結局あなた自身!

ハート2
ここまでは「死にたい」という考えに陥る原因や心理状況についてお話してきましたが、では具体的にそのような思考に捉われてしまったら、どのように対処すればよいのでしょうか。

まずは疲れを自覚して休養を!

「死にたい」という考えが頭をよぎったら、まず実際に自殺をしたいのではなく、自分がいま死にたいほど苦しいのだということ、そして心身ともに疲れているのだということを自覚しましょう。そしてできるだけ休養を取ることが必要です。
 
完璧主義をやめ、できなかったものはそのままに眠ってしまう、必要であれば仕事を休むなども自分を守るためには必要なことです。

話を聞いてもらう

共感してくれる家族や友人がいる方はその方でも構いませんが、なかなか理解してもらえない場合には、医療機関や自治体の相談窓口などで、専門家に相談してみましょう。それだけでも気持ちが軽くなる場合もありますし、誰かに話すことで気持ちの整理がつき、正常な判断ができるようになることもあります。
 
必要であれば専門家の指示に従い、投薬などの治療が必要な場合もあります。いずれにせよ自分の気持ちをアウトプットすることが大切です。

環境を一新する

いくら休養を取ったり周囲に話したりしたところで、根本的な原因となるストレッサーを取り去らなければ、問題の解決にはなりません。改善の余地のある環境ならば良いですが、そうでない場合は、ストレッサーを含む環境を一新してしまうのも一つの手。転職や転居など、新たな環境に身を置くことで「死にたい」程の苦痛から解放されることもあるでしょう。

何が自分の幸せか考える

真面目な方であればあるほど、仕事を休むなんて迷惑をかけてはいけない、子どもたちのためにも頑張らなくては…、年度末まではどうしても辞めることはできない…など自分を犠牲にしてでも頑張ってしまいがちです。
 
しかしその状況がご自身の健康にとって良いはずはありません。自分よりも他人を思いやれることは素晴らしいですが、そのことで自分が幸せになれるのか…子どもに自信をもって見せられる笑顔の自分になれるのか…少し立ち止まって考えてみましょう。
 
例えば子どもの未来を支えるためには、保育士さんの力が必要です。家族や大切な人を支えるには、何よりも自分が元気でいなくてはなりません。周囲を大切に思うならば、まずは自分を大切にすることが何より大切であることを忘れないようにしましょう。
 

編集者より

相談する女性のイラスト
死にたいほど苦しい状況を誰かに相談する時、相手によっては「そんなの我慢が足りないだけ」「悲劇のヒロインぶらないで」などと突き放されてしまうこともあるかもしれません。しかしそれで「自分はやっぱり駄目だ」「皆自分のことなんてどうでも良いのだ」とはどうか思わないでください。
 
確かにあなた自身の苦しみは他の誰にもわからない大きなものなのでしょう。しかし人は皆それぞれに多くの困難や課題と闘っています。心が疲れ切っているときは、皆自分の苦しみと対峙するので精いっぱいなのです。…それほど現代というものはストレスにあふれた社会であるとも言えるでしょう。
 
ご自身のことを守ることができるのは、ご自身だけなのです。例えば精神科の名医ですら、本人が辛さを告白しに来てくれなくては救うことは決してできません。「死にたい」と今思っている方は、先にも述べましたが、今は身も心も疲れ果てて正常な考え方がしづらくなっていることをまず認識ししましょう。そしてご自身を守るためにできることをゆっくりしていきましょう。
 

自治体などには、つらい気持ちを聞き相談に乗ってもらえる窓口が設置されています。ぜひ活用しましょう。
 
 ⇒ 厚生労働省 こころの耳

 

◆ストレスのない職場に…転職なら【保育のお仕事】◆

保育のお仕事をお探しのあなたを私たちがサポートします!一緒にあなたにピッタリの職場を見つけていきましょう。
人材紹介登録ボタン
 

参考資料

内閣府
40代・50代からの健康寿命を考える DIAMOND 男の健康
STRESS FREE NAVI
Dreamer
 

保育のお仕事
友だち追加