読了の目安:約5分8秒

園児たちの目の前で先輩保育士に叱責される…。そんな状況に置かれている方はいらっしゃいませんか?実は日常的に子どもの前で保育士が怒られたり、場合によっては強く怒鳴られるような状況にある保育園は少なくないようです。しかしこの環境、子どもたちの成長に影響を及ぼしかねないことをご存じでしょうか。今回はこのような状況が子どもの心に与える影響を考えてみましょう。

子どもの前で保育士を叱責…どう思う?

不満そうな保育士さん
日頃保育士さんのお話を伺っていると、「先輩に園児の前で毎回怒鳴られていて…」という悩みをお持ちの方に多く出会います。皆様の職場では保育士が子どもの目の前で強く叱責されたり、怒鳴られるようなことはありませんでしょうか。
 
一般に保育施設では、子どもに配慮して、職員への指導などは別室や廊下で行うことが多いかと思いますが、残念なことに、子どもへの影響を考えずに日常的にこのような場面が発生している園も少なからずあるようです。
 
しかも保育の知識と技術を蓄えてきたベテランや役職者でさえ、子どもの前で部下や後輩を叱りつけているケースも中には存在します。職場ではどうしても指導のために強く叱責しなくてはならない場面もあるでしょう。しかしそれは子どもたちの目の前ですべきことでしょうか?もしもそのような環境が「当たり前」になってしまっている園があるならば、いま一度考え直してみてはいかがでしょうか。
 

子どもは大人の話を良く聞いています

子どものイラスト
「まだ赤ちゃんだしわからないだろう…」「子どもたちのことで声を荒げているのではないから問題ないだろう…」そのような大人の思い込みで行動することには大きなリスクがあります。
 
確かに複雑な話の内容までは子どもたちはわからないかもしれません。しかしそれでも子どもたちは、大人の話を良く聞いています。年長の子どもであれば、暴言や責めるような強い言葉があればすぐにわかるでしょう。まだ言葉のわからない子どもたちでさえその場の空気を敏感に感じ取り、今どのような状況にあるのかを理解し、さまざまな感情を抱くでしょう。だからこそ、子どもたちの前での言動には十分配慮する必要があるのです。
 

子どもの前での叱責が与える7つの悪影響とは

保育士さんのイラスト
では、保育士が目の前で叱責されることは、実際子どもたちにどのような影響を及ぼすのでしょうか。ここでは考えられる代表的な影響を7つご紹介します。
 

◆情緒不安定になる◆
怒りや敵意にも似たネガティブな感情を目の前にすると、子どもたちは無意識のうちに強いストレスにさらされます。特に信頼関係を築いている保育者、すなわち子どもたちにとっては大切で大好きな存在である人が、叱責を受けている姿は大変ショックでしょう。こういった心への見えないダメージが、情緒の不安定さを引き起こし、突然の赤ちゃん返り、ご家庭での夜泣きやおねしょ、かんしゃくなど、不安定な姿として現れてしまうことがあります。
◆暴言が”当たりまえ”になる◆
「こんなこともできないの?」「やる気あるの?!」こういった相手を責める言葉も強い口調で言えば”暴言”と同じ力を持ちます。そういった言葉に日常的にさらされれば、そのうちにそれが当たり前となってしまい、やがては言葉のもつ暴力性に非常に無関心、無神経な状態に陥ってしまいます。そのことは将来的に、他人の心情をうまく読み取ることができないなど、コミュニケーション上の難しさとして現れる可能性もあるでしょう。
◆叱責の言葉を真似てしまう◆
使われた強い叱責の言葉を、他者とのコミュニケーションで使って良いものだという認識が生まれてしまうと、暴力性のある言葉が子ども同士の中でも頻繁に用いられるようになりかねません。特に怒鳴り散らしたり、罵倒するような方法で叱責をしているような場合にはなおさら注意が必要でしょう。
◆他人の目を過度に気にするようになる◆
ピリピリと張り詰めた空気は、子どもたちに恐怖感を与えてしまいます。そのためその状況をできるだけ避けようと、いつもおどおどして、相手の感情を読み過ぎてしまい、自分の欲求をうまくアウトプットできない子どもも出てくるでしょう。
◆自己肯定感を下げてしまう◆
中には大好きな先生が「かわいそう」と感じるあまりに、その状況は自分のせいではないかという意識を抱いてしまう子どももいます。特に子どもの名前をが叱責中に出る場合などは、内容はわからずとも自分に関係があるのだという認識をし、自責の念に駆られてしまう場合もあります。
◆チャレンジへの意欲が減退する◆
子どものうちは大声や叱責というものが、大きな恐怖となりかねません。自分に対するものでなかったとしても、叱責を恐れる意識が新しいことへのチャレンジ意欲を失わせてしまうことも懸念されます。
◆大人への不信感につながる◆
子どもたちの前での叱責はいわば大人による”レッテル貼り”。「〇〇先生は××ができなくてダメ!」ということを聞かされてしまうことで、無意識のうちに潜在意識のようなものが形成されてしまい、同じレッテルを貼って、叱責を受けた保育士さんを見てしまうようにもなりかねません。特に年長の場合には、言葉がよく理解できるため、このリスクが大きいでしょう。

 
最近ではストレスが脳の発達にも悪影響を与えるという説もあります。このように、子どもの目の前で保育士が叱られるということには、考えている以上に大きなリスクがあるのです。
 

保護者の不信感にもつながります

親子のイラスト
園児の前で保育士が怒られることは、子どもたちだけではなく、園全体にも悪影響を及ぼす可能性があります。保護者の方の中には「先日担任が他の職員に保育室で怒られているのを見たが、子どもにとって良くないでは?」と疑問に思われる方もいらっしゃるそう。我が子の成長を見守る保護者の立場であれば、当然抱く感情でしょう。
 
保護者の方が、叱責の場面を見たり、我が子からそのようなことがあったことを聞いたりすれば、園への不信感や方針への疑問が生じかねません。一番に考えるべきはもちろん子どもたちへの影響ですが、特に、叱責をするのが役席や経営に関わる人物である場合は、園の運営にも関わる事柄であることを今一度意識すべきと言えます。
 

編集者より

クローバーのイラスト
子どもは大人以上に繊細で敏感な感受性を持っており、幼少期の体験はその後の人格形成にも関わります。実際、幼い頃の記憶をいわば”トラウマ”のように引きずっている大人も多く存在します。
 
子どものことを思えばこそ、保育者には厳しい指導を…そのような使命感を持つ方もいるかもしれませんが、やはり第一に保育は子どもありきでなくてはありません。子どもの心に配慮ができないというのは、保育者としていかがなものでしょうか。
 
日常的に子どもの前での叱責が行われている場合には、叱責を行っている方より上位の役職者などに相談するなどで、状況を改善できると良いですね。
 

◆転職したい…と思ったら【保育のお仕事】◆

あなたの転職を私たち専任コンサルタントがサポートします!一緒にあなたにピッタリの職場を見つけていきましょう!お気軽にご相談ください。
人材紹介登録ボタン
 

参考資料

まんまみーあ
パピマミ
AllAbout
 
転職ガイド

保育のお仕事
友だち追加