万が一のために!保育士や園を法的に守るために普段からできること5選
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厚生労働省の2013年の調査では、潜在保育士が答えた、保育士を続けたくない理由の第1位は「責任の重さ・事故への不安」でした。子どもの命や心を預かる保育業、やはり万一のことへの不安はとても大きいですよね。

事故やトラブルを未然に防ぐ方法は、現場の知識のブラッシュアップである程度カバーできます。しかし、「それでも何か起きてしまったとき、保育士や園が理不尽に責められないか?」と不安になることはありませんか?今回は、事故やトラブルのときに保育士さんや園側を守るための方法を、法的な面からお伝えいたします。

園に降りかかるトラブル3類型

園に起こるトラブルは、大きく分けて3種類あります。

  1. 外部からのトラブル
    園外からのトラブルです。地域や保護者の方からのご意見やクレームなどが一例でしょう。
  2. 内部でのトラブル
    園内で起きるトラブルです。保育士さんと園との対立などがわかりやすいでしょうか。
  3. 誰のせいでもないトラブル
    災害や事故など、誰のせいでもないトラブルや、誰のせいかはっきり言いづらいトラブルです。

次の項からは、こうしたトラブルへの対処法について考えていきます。

トラブルに法的に備えておくための対処法5選

トラブルが生じたときに保育士さんや園側を法的に守るための普段からの備えについて、詳細に解説していきます。

1. 映像・音声で記録をつけておく

この方法は、「外部からくるトラブル」に特に有効です。

最近は携帯についているカメラも、SNSもどんどん発達していますよね。どんな言動が知らないうちに撮影・録音され、SNSにアップされて多くの人から批判されたりするかわかりません。これって不安で嫌な気持ちになりますよね。だから、自分たちが記録する側に回ることに抵抗を感じる人も多いと思います。

しかし、映像や音声は、トラブル時にはしっかりとした証拠になります。「撮られている人が何をしていたか」だけではなく、「何をしていなかったか」の記録も残してくれます。これは、言った言わない、した・していないの話になり、理不尽な罪や責任を被せられそうになったとき、自分たちを力強く守ってくれる可能性があるのです。車の事故やトラブル時のためにドライブレコーダーを設置する人が増えているのも、これと同じ理由です。

最近は安価に、簡単な設定で24時間稼働のWebカメラも用意できるので、この方法で保護者に園の様子を公開している園もあるようです。もちろん、記録に残せるのはそのカメラのアングルで切り取れる範囲の情報だけなので、運悪く「欲しいシーンが撮れていない」ということもあるかもしれません。ですからあくまでひとつの選択肢として、普段から園の様子を録画・録音しておくことを検討してみてください。

2. 園で保険に入っておく

園で、保育所向けの保険に入っておくのもひとつの方法です。何かあって賠償しなければならなくなったときに保障が役立ちます。園での保険加入は、「内部からのトラブル」にも有効です。

専用団体保険 | NPO法人全国小規模保育協議会

保育所の損害補償

賠償責任保険・傷害保険のご加入のご案内 | 一般社団法人 日本事業所内保育団体連合会

上にいくつか例を挙げましたが、ほかにもたくさん情報がありますので、「保育所 保険」などのキーワードでネット検索してみてください。

3. 園に顧問弁護士をつけておく

予算に少し余裕があるようなら、園に顧問弁護士をつけておくのも一手です。月に数万円から頼めます。トラブル時に素早く対応できるだけでなく、トラブルを未然に防ぐ役にも立ちます。

保育所・幼稚園事業関連法務(事業経営者様専門)|松田綜合法律事務所

ほかにもたくさんありますので、「保育所 顧問弁護士」などのキーワードで検索してみてください。

4. 「法テラス」を利用する

簡単な相談ごとはまず「法テラス」に連絡してみましょう。法テラスは弁護士や行政書士が対応にあたってくれる準公的機関です。相談すると公的記録に履歴が残るので、トラブルの相手に悪意がある場合など、「法テラスに相談しました」と伝えるだけでかなりの抑止力になる場合があります。

法テラス|法律を知る 相談窓口を知る 道しるべ

法テラスは、電話やメールによる初回の情報提供は無料(通信料などは自己負担)です。そこで法律相談が必要と判断された場合、以降は相談先を紹介してもらい、有料で法律相談を受けることになります。

5. 保育園向けコンサルタントに頼る

上記のいろいろな対策、どのように計画して実行していったらいいのか迷うことがありますよね。そんなときにはコンサルタントに頼ってみてください。予算との兼ね合いになりますので、すべての園がとれる対策ではありませんが保育園向けの専門的なコンサルティングサービスを提供しているところもあります。園をどのように運営していったらよいのか、総合的な相談に乗ってくれるので、一度連絡してみてはいかがでしょうか。

保育経営ナビ ~保育園経営・保育所経営コンサルティング~

ThinkEducation ~保育園、託児所、ベビーシッターの開業、運営コンサルティング~

ほかの情報は、「保育所 運営 コンサルティング」などのキーワードで検索してみてください。開業支援を重視しているところが比較的多いですが、探せば運営に重点を置いているところもあります。

編集者より

いかがでしたでしょうか。今回は、万一のことが起きてしまった場合に保育士さんや園側を法的に守るために普段からできることについてお伝えいたしました。保護者の方などからクレームを受けたときにどう対応すべきかについては、こちらの過去記事をご参照ください。

カウンセリング技術を応用!保護者クレームへの対応のコツ(前編)

カウンセリング技術を応用!保護者クレームへの対応のコツ(後編)

事故やトラブルを防ぐために日ごろから最高の注意と知識をもって保育にあたるとともに、今回の記事をご参考になさっていただき、万一のときに慌てないようお役立ていただければ嬉しいです。

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