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毎日元気に遊ぶ子どもたち。安全に配慮して、隅々まで気を配っているつもりでも、ケガなどの危険性はあらゆるところに潜んでいるものです。子どもたちが万が一ケガをしてしまったら…本日は”もしも”の場合に慌てないよう、保育士さんや保護者の皆さまに役立つ応急処置法をまとめてみました!

部位別!子どもにありがちなケガなどの応急処置一覧

Candy Cane
では子どもたちがしやすいケガ等について、頭部や手足などの部位別に、その応急処置法をご紹介していきましょう!

頭を打った
【出血が止まらない】【意識がない】【何度も嘔吐する】【けいれんをおこしている】【手足が動かない】などの場合には、すぐに救急車を呼びましょう。救急車が来るまでは、ゆすったりせず、耳や鼻などに脱脂綿などのものはつめず、保温して待機します。出血がある場合は止血を行います。なお嘔吐がある場合は、吐いたものがのどに詰まらない姿勢を取らせましょう。
また、頭部が陥没した場合などには、医療機関の受診が必要です。こぶができた場合には、安静にし、患部を冷やして様子を見ます。
頭を切った
頭部を打つなどした際に頭を切り、出血がある場合には、止血を行います。頭部は血管が集中しており、小さな傷でも大出血したように見えますが、落ち着いて対処しましょう。止血方法は、ガーゼなどで傷のふちを押さえるか、軽い出血ならば、耳の横(前側)を親指で強く押さえるのが一般的です。

目・鼻・耳

驚く保育園児の女の子

目にゴミが入った
1歳未満の場合は、顔を横向きにし、スポイトなどで目に水をさし、洗い流します。1歳以上であれば、しばらく目を閉じていれば涙と一緒に流れることもありますが、取れない場合には、顔を横向きにし、水道や水差しに入れた水を流し、洗い流しましょう。
鼻血が止まらない
まず、血を飲み込まないようにやや下を向かせます。鼻の中には何もつめず、親指と人刺し指で小鼻を強くつまみ、10~15分ほど圧迫します。タオルや氷で鼻の付け根あたりを冷やすと血管が収縮し、血が止まりやすくなります。この処置をしても止血できないようならば、医療機関を受診しましょう。
耳に虫が入った
耳かきなどでつつくのはNG!まずは懐中電灯などで耳の中を照らし、虫をおびき寄せます。それでも出てこない場合は、オリーブオイルなど刺激の少ない油を数滴耳の中にたらして、虫を窒息させ、耳を下向きにさせて取り出します。虫が出てこない場合は医療機関を受診します。また、出てきた場合にも、油が耳の中に残っているため、耳鼻科などできれいにしてもらう必要があります。

口内を切った
口の中にある血液は、飲み込ませず吐き出させます。傷口を清潔なガーゼなどで圧迫し、止血を行います。それでも止まらないほど大きな傷口の場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
のどに異物がつまった
意識がなければ状況に応じ、119番通報および心肺蘇生などを行います。意識があれば下記の方法で異物を取り出します。※乳児の場合、内臓を損傷する可能性があるので、ハイムリック法(腹部突き上げ法)は行わないよう注意しましょう。
気道がふさがった際の応急処置(乳幼児)
背部叩打法 手で子どもの頭と首を固定し、前腕にまたがせて顔が下向きになるよう支え、背中の真ん中を平手で4~5回叩きます。
背部叩打法変法 乳児より少し大きくなった幼児の場合には、立膝などで、自分の太ももが子どものみぞおちを圧迫するようにし、頭を下げた状態で背中を平手で4~5回叩きます。
胸部突き上げ法 背中を腕に乗せ後頭部を支え、中指と薬指で胸の真ん中を数回力強く圧迫します。
【誤飲した場合:→ 関連コンテンツをご参照ください!】
誤飲したもので応急処置が違う!子どもが異物を飲み込んだ時の対処法

手足

泣く保育園児のイラスト

動物にかまれた
傷口をよく水で洗い流します。その後息苦しそうにしているなど異変があれば救急車を呼びましょう。傷口が大きく腫れたり、野生動物にかまれた場合などには、医療機関を受診しましょう。
指を挟んだ
爪がはがれそうになっている、指を動かせない、出血がひどい場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。軽い傷なら流水でよく冷やし腫れなどがないか様子を見ましょう。
突き指をした
引っ張ることは絶対にしないこと。冷やしたうえで、テーピングや包帯で固定します。骨折などの可能性もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。
指を切断した
万が一、指を切断してしまった場合には、すぐに救急車を呼び、かーぜで患部を覆って包帯を強く巻き圧迫、止血します。包帯の根元はひもで縛って固定します。切断された指はガーゼでくるみ、ビニール袋に入れて密閉。氷水入りの容器や袋に入れて救急隊員に渡しましょう。
爪がはがれた
はがれそうな爪は、そのまま包帯などを巻き固定し、医療機関を受診しましょう。はがれた場合も、消毒を行ったうえで指先にもどし、ガーゼや包帯で固定してすぐに医療機関を受診してください。
ねんざ
靴は脱がせ、患部を氷水などで冷やし、安静にします。包帯やテーピングで固定し、幹部を少し高くすると、腫れを少なくすることができます。腫れや痛みが続くようならば医療機関を受診しましょう。
骨折・脱臼
患部を動かさず、添え木などをしたうえで、包帯などを巻き付けて固定します。肩やひじ、腕の場合は三角巾で腕をつるします。部位によって、心臓よりも上げられるなら、上げて腫れを防ぎます。氷のうなどで冷やし、医療機関を受診しましょう。
ふくらはぎがつった(こむら返り)
筋肉が縮んだまま伸びなくなっているため、つっている筋肉をゆっくり伸ばすようにします。ふくらはぎならば、つま先を脛の方に傾けるようにします。無理に伸ばさず、ゆっくりと行うことが大切です。
しもやけになった
体温より少し熱い37℃くらいのお湯で温めます。凍傷となるなど悪化の可能性もあるため、医療機関を受診した方が良いでしょう。
ガラスや木片を刺した、画びょうを踏んだ
刺さっていたものがすでに抜けているときは、傷口を水で洗い、清潔なガーゼなどを当てて包帯をします。大きなガラス片が刺さった、画びょうが奥深くまで刺さっている、という場合には、抜かずにすぐに医療機関へ!
擦り傷・切り傷
擦り傷は浅くとも傷の範囲が広く、細菌が付きやすいので、感染を起こしやすいことに注意が必要です。砂まみれの時などは破傷風やガス壊疽の可能性もあります。また、切り傷の場合、傷口が大きい場合は縫合が必要な場合もあります。こういった場合にはできるだけ早く医療機関を受診しましょう。
 
軽度の場合、傷口の手当を行う際は必ず手を洗い、傷口を流水でよく洗い流します。近年では傷の治りを早くする湿潤療法(モイストヒーリング)が良いとも言われています。傷口に泥や砂などが入り込んでおらず、ごく軽度の場合には、止血をし、水でしっかり洗い流した後、消毒液は使わずに、湿潤療法を用いたばんそうこうなどで覆います。
※保護者や、園の方針など個々に異なる場合がありますので、必ずあらかじめ確認、相談するようにしましょう。
 
※すでに傷口が乾いてしまっている場合などは、通常のばんそうこうなどで手当を行います。また湿潤療法の場合も、1日に1度程度は傷の様子をチェックし、腫れや膿があれば感染を起こしている可能性があるので、医療機関を受診するのがよいでしょう。

全身

やけどをした
まずは流水や氷などを使って、10~20分冷やします。服を着た状態でやけどを負った場合は、脱がせずに、服の上から冷やします。応急処置後、水ぶくれができてもつぶさず、すぐに医療機関を受診しましょう。
溺れた
泣かずにぐったりしている場合はすぐに救急車を呼び、心肺蘇生法を行います。水を飲み込んでむせている場合は水を吐かせ、タオルで体をふいて温かくしたうえで、医療機関を受診しましょう。
虫に刺された
蜂や毒虫に刺され、顔色が青い、冷や汗が出る場合などには、ただちに救急車を呼びましょう。蜂の場合、針の根元をピンセットなどでつまみ、引き抜いて流水でよく洗います。毒を絞り出すように、患部周囲から圧迫し、洗い流します。もし抗ヒスタミン系成分を含むステロイド系軟膏があれば塗布して、患部を冷やしたうえ、医療機関を受診しましょう。
感電した
万が一感電した場合には、可能ならばすぐに電源を切ります。難しい場合には、救助者がゴム手袋、ゴム長靴、乾いた木綿の靴下をはくなど、感電を防ぐ身支度をしたうえで、乾いた木の棒など、通電しないものを使って、子どもを電気のある場所から遠ざけます。意識がなければ、呼吸と脈拍を確かめ、心肺蘇生法を行い、すぐに119番通報をします。

子どもの血液量と止血法の基本

考え込む保育士と赤ちゃん
人の血液量は体重のおよそ13分の1と言われています。たとえば15kgの幼児であれば、血液の量は約1.15リットルと言えます。血液の3分の1を失うと生命に関わるため、止血はケガの際、大変重要です。

基本の3つの止血法
直接圧迫止血法 出血している傷口をガーゼやハンカチなどで直接強く押さえ、止血を行う方法です。手当を行う場合は血液に触れないよう、ビニールや手袋をしたうえで行いましょう。
間接圧迫止血法 傷口から心臓に近い動脈を手や指で圧迫します。止血の基本は直接圧迫止血法ですが、ガーゼなどを準備するまでの間、応急的に行います。なお、直接圧迫止血を始めたら、間接圧迫止血は中止しましょう。
緊縛止血法 直接圧迫止血法では止血が難しい、大きな血管の損傷時などに行う止血法です。傷口をタオルなどで包んだのち、止血帯などできつく縛る方法ですが、正しく行わないと細胞の壊死などの後遺症が残る可能性があります。行う場合は幅の広い止血帯(細いビニール紐などは不向きです)を使用し、30分程度に1回は止血帯を1~2分緩めるようにしましょう。

保護者への連絡は…

泣いている園児のイラスト
たとえ小さなケガでも、我が子が傷ついたことは、保護者にとって大きな出来事です。その後の関係性にも関わりますので、万が一ケガをしてしまったら、迅速に、そして丁寧に、ケガの原因や経緯、保育士さんの対応や、子どもの様子などについて説明することが重要です。

保育士さんのための参考書籍


▲ 万一の対応法だけでなく、保護者への伝え方まで紹介された、保育士さんのための参考書です。読者のレビューでも好評!
 



▲ 小さな切り傷の手当てから救命処置まで網羅した、保育の現場向けの対応マニュアル。保護者へ伝えたいポイントも紹介されているので参考になります。
 

編集者より

仲良く遊ぶ女児のイラスト
保育士の皆さまは、日々いろいろな安全対策を取られていることでしょう。しかし子どもは思わぬところでケガをするものです。ケガのないことが一番ですが、もしも発生してしまった場合には、程度の大小にかかわらず、適切な対応ができるように、日頃から応急処置の方法を身につけておきたいものですね!

参考資料

《参考》健康salad
《参考》かしこくやさしいママになる MaManabi
《参考》nanapi
《参考》白クマ先生の子ども診療所
《参考》Wikipedia
《参考》キャリアガーデン
《参考》知っておきたい!子供の病気百科

※情報掲載時点における情報に基づいて記事を作成しています。必要に応じて適切な医療機関の受診等、ご自身の判断で行っていただけますようお願い致します。
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