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今時モンスターペアレントの実態とは・・・?

怒った保育士の顔

自己中心的で理不尽な要求をする「モンスターペアレント」。もしかしたらあなたの身近にもいるかもしれませんね。今回は、大阪市と富山市が刊行した「保育所クレーム対応事例集」に掲載された内容を中心に、ちょっと困った常識外れの困ったクレームと、その模範対応集をご紹介します。

【Case 1】朝忙しいから子供の朝食も園で用意して!

【内容】
毎日仕事で忙しく、特に朝は登園の支度や出勤準備でバタバタするので、保育所で子供と親の分の朝食を用意してほしい。食べた人が実費を払えばいいのでは?

【対応】
まずは、保護者の言い分を言い終わるまでちゃんと聞きます。聞き終わってから、各家庭ごとの多様な価値観があることを認めたうえで、“食育”の大切さや“家族の役割”が子供の成長にとって大切だということをお話し、園として要望を受けかねる旨を伝えます。

【Case 2】写真撮るときには、背の低い子供の並べ方に配慮して!

 

【内容】
節分のイベントとして保育所で撮影したスナップ写真で、小柄な息子の隣にクラスで一番背の高い園児が並んでいた。背の低いことを気にしている息子への配慮に欠けるのでは?

【対応】
日ごろ、母親が保育所や保育士に対して思っていることや、苦情につながった思いなどを十分に聞いたうえで、保育所側の配慮がかけていたことを“謝罪”します。

【Case 3】ブランド品に名入れしたらネットオークションに出せなくなった!

驚いた保育士の顔のイラスト

【内容】
保育所で使う用に、ブランド品の水筒を持たせたら、保育士が勝手に名前を書いてしまった。ネットオークションに出せば高値で売れたはずなのに、売れなくなったので、弁償して!

【対応】
園の方針として、記名について事前周知をあらかじめ行っている場合は、やむを得ない措置。そのことをきちんと説明します。弁償義務はもちろんありません。

【Case 4】おむつ交換で会社に遅刻したので賠償しろ!

 

【内容】
朝、保育所に向かっている最中、車の中で子供が大便をしてしまった。保育所からはおむつを交換してから登園するように言われているが、そのせいで会社に遅刻してしまったら、弁償してくれるのか?

【対応】
まずは、事実関係を整理し、保育所としての対応を確認します。働く保護者ならではの子育てへの不安がありそうであれば、よくヒアリングして受け止めます。賠償義務はありません。

【Case 5】子供が殴られた相手の電話番号を教えろ!

冷や汗をかいている保育士

【内容】
一緒に遊んでいたお友達に子供が暴力を振るわれてしまい、怪我をした。相手の電話番号を教えてほしいと申し出たのに、断られた。なぜ加害者の味方をするのか?

【対応】
電話番号は個人情報なので、相手の了承なしには教えることができない旨を丁寧に説明します。保育所側でも事実確認を行い、怪我をさせた子供と保護者から直接謝罪するのがベスト。怪我の程度が大きい場合は、担任と施設責任者も家庭訪問をすることもあります。

【Case 6】娘にシラミが。保育所でうつされたに違いない!

 

【内容】
娘のまつ毛にシラミの卵がいるのを発見した。きっと保育所で誰かにうつされたのに決まっている!どうしてくれますか?

【対応】
保護者の言い分を丁寧にヒアリングした上で、保育所の対応を確認します。定期的にシラミの検査をしているのであればその旨を、ほかにシラミに感染している子がいないのであればその旨を伝えます。

【Case 7】ケンカの原因になるおもちゃを幼稚園に置かないで!

園児用のぬいぐるみ

【内容】
子供がひとつのおもちゃを取り合って、ケンカになる。
そんなおもちゃを幼稚園に置かないでほしい。

【対応】
保護者の心配に共感を示しながら、最後まで言い分を聞きましょう。その上で他の子のものに興味を持つようになることが、成長の証拠であり自我の発達に欠かせない過程であること、ケンカの際には怪我の無いように注意し必要な対応を取っている旨をご説明します。

多様化する保護者クレーム。どう向き合う?

ニコッと微笑む保育士さんのイラスト

こうしたクレームの原因は、保育士や保育所と保護者のコミュニケーションの不足や、保護者の置かれている環境からくる不満、保護者の思い違い、「うちの子に限って!」という過剰な思い込みによるものが多いといいます。最近は保護者からの要望や苦情が多様化していて、解決までの期間も長期化しているとのこと。

また、事例集を作成した富山市のこども福祉課では「モンスターペアレント」という呼び方自体を、保護者の人格を否定し、向き合う教職員の気持ちもなえさせていく危険な用語として「モンスターと呼ぶのはやめましょう」と呼びかけています。

編集者より

保育士さんの声を聞いていると、保護者対応に苦労しているという話をよく耳にします。いちど関係がこじれるとトラブルが何度も起こってしまうケースもあるよう…。保育士さんと保護者、お互いの気持ちを理解するスタンスを前提に、良好な関係を作っていけると良いですね。

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