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「療育」という言葉を聞いたことはありますか?障害のある子どもたちが、より自立した生活を送れるようにするための療育。保育施設では「乳幼児健診で療育を勧められた…」と保護者から相談を受けたり、療育センターと連携を取って子どもの成長や自立を支えたりすることがあり、今後ますます療育に対する理解や知識が必要になってくることでしょう。本日は療育に関する基礎知識や必要性をお伝えしていきます。

療育とは?定義と療育法の種類を知ろう!

ぬいぐるみのイラスト
そもそも「療育」とはどのようなものなのでしょうか。まずはその定義を確認しておきましょう。
 

◆療育とは◆
障害のある子どもたちが、社会的に自立することを目的として行われるもので、医療、訓練、教育を通じて、子どもたちそれぞれが抱えている困難をできる限り克服して、持てる能力をより有効に伸ばす、専門スタッフによるアプローチのことを指します。
 
もともとは肢体が不自由な子どもを対象としたものでしたが、今は発達障害などその他の障害に関しても支援を行っています。

 
発達障害のある子どもが増えている、とは一概には言えませんが、保育園や幼稚園ではいわゆる「気になる子ども」すなわち発達において何らかの心配がある子どもたちもいるのは確かです。
 
発達障害に関する認知度も近年上がり、保護者の方の意識も高くなっている中、発達障害と向き合い、子どもがより自立した生活を送れるように支援するために、この療育の必要性はますます高まっていると言えるでしょう。
 

療育は、地域の療育センター、障害児支援センターなどで受けることができるホィ。療育センターでは、医師、保育士、理学療法士などの専門スタッフが、子どもたち一人ひとりの発達段階や、障害の種類などに応じて適切なサポートを行うんだホィ。

 

…でも、そういった専門スタッフの数も、療育センターの数もまだまだ少ないのが現状…。何カ月も待たなければならなかったり、頻繁に通うことができなかったり…だからこそ保育士さんは、療育について正しく理解をしたうえで、療育センターなどとしっかり連携を取ることが必要です。

 

◆療育にもいろいろな種類がある!

ひとくちに療育と言っても、さまざまなアプローチ方法があります。

◆療育の種類◆
応用行動分析学(ABA) 子どもの行動を科学的に分析し、特定の行動が起こる原因を探ることで、新たな行動を学習しやすくします。不適切な行動が起きにくくなるように指示を変える、望ましい行動を定着させるなどの工夫をします。
TEACCH 望ましい行動を取りやすくするように、絵カードや写真を使って視覚的にわかりやすく表現し、子どもが理解しやすい環境を作ります。
認知行動療法 認知療法と行動療法を組み合わせたアプローチ法。子どもごとに抱える困難をもとに治療方針をたて、生活のリズムを振り返ったり、自動思考による認知のゆがみを修正したりしながら、自助力の回復や向上を目指します。
SST(Social Skills Training) 日常で起こりそうな場面を、ロールプレイングで疑似体験する中で、気持ちをうまく伝えたり、相手に反応できるようにトレーニングする方法です。
箱庭療法 箱庭を自由に作らせることによって子どもに、自分の心の状態を表現させ、理解や支援につなげていく方法です。
音楽療法 音楽を聞いたり、楽器を奏でたり、歌ったりすることで、生活の質の向上や、心の解放を行っていきます。音楽療法士が定期的に施設を訪問することもあります。
作業療法(OT) 日常の生活動作がスムーズにできるように、手先を使った遊びや体操、レクリエーションなどを通してトレーニングしていく方法です。
理学療法(PT) これは主に身体障害がある場合に多く用いますが、運動療法や、温熱、マッサージなどの物理的な方法で身体機能の改善を図る方法です。
遊戯療法 絵を描いたり、音楽表現をさせたり、物語を作ったり…そのような創造体験を通じて自己表現をさせて、コミュニケーションを図る方法です。

 

保育園と何が違う?療育施設の役割とは

疑問を抱く保育士の画像
療育センターでは、医師、保育士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、言語療法士、臨床心理士、児童指導員、介護福祉士など、それぞれの分野に長けた専門スタッフが働いています。
 
保育園などとの違いとして、発達の段階や年齢等に応じて小規模なクラスを作り、きめ細かく支援を行います。施設にもよりますが、毎日通園する場合もあれば、保育園や幼稚園に通いながら、週に何度かのみ、療育センターに通うという併行通園が行われることも多くあります。
 
併行通園の場合には、保育園の先生が療育センターでの子どもの様子を見学に行ったり、療育センターの職員が保育園の様子を見学したり、互いに情報交換をしつつ、療育の視点から、保育園に子どもとの関わり方のポイントを指導したりといった、連携体制を整えることが必要となります。
 

保育現場でも療育の視点は必要?!

保育士さんと子ども
保育園や幼稚園は、保護者から発達障害に関する相談を受けた際に、療育について伝える窓口ともなりますし、療育センターと連携を取るうえでは、保育士さん、幼稚園教諭さんにも療育や、発達障害のある子どもの具体的な支援法について学んでおく必要があるでしょう。
 
また、自治体などにも異なりますが、療育センターに通うには、診断を受け、受給者証や療育手帳を受け取る必要がある場合も…。そのため保護者がなかなか受け入れられずに、療育が受けられないこともあるようです。そういった場合にも、子どもがどこに困難を抱えているかしっかりと観察し、適切な働きかけをする必要も出てきます。
 
自治体や療育センターでは、保育士さんや幼稚園教諭さんなど、子どもたちの支援を行う方向けに定期的な研修会を開催しているケースも多くあります療育の視点を持って正しい接し方ができるように、参加してみるのも良いでしょう。

障害のある子どもの受け入れを行う保育園などでは、加配の保育士さんを付けることもありますが、かかる人件費は自治体と保護者あるいは事業所で折半ということも多く、資金状況によって付けることが難しいケースもあるようです。
 
加配担当でなくても、しっかりと療育や発達障害について知識を付けておきたいですね!

 

仕事として療育に関わる方法とは

遊ぶ子どもたち
「もっと専門的に療育に携わりたい!」「仕事をしながら療育の専門性を高めていきたい」という方は、療育施設に勤務するという方法もあります。具体的には下記のような施設で、療育に携わることができるでしょう。

◆療育に携われる職場の例◆
□療育センターや障害児支援センターなどの療育施設
□放課後等デイサービス
□児童発達支援
 
【関連記事で各施設を詳しくご紹介!】
放課後等デイサービスってなぁに?仕事内容&働くメリット教えます!
児童発達支援とは?働く上で知っておきたい特徴と仕事内容

 
こういった施設で働くには、まず保育士資格が必要となることがほとんどでしょう。合わせて障害児保育に携わった経験などがあれば、経験を活かせます。また経験がない場合でも、発達障害に関する認定資格や社会福祉士などの関連資格・知識があれば役立てることができるでしょう。
 

編集者より

草花のイラスト
療育は、障害を”完治させる”ものではありません。あくまでも適切な方法でアプローチすることで、その子どもの自立や成長をサポートして、より困難を感じずに生きていけるようにする方法です。
 
障害とは一生付き合わなくてはなりませんが、保育士さんの適切な関わりや、保護者への助言、療育施設との連携によって、その子の一生はきっと変化するはず…。それは保育に関わる職業でなくては成し遂げられないことでしょう。
 
子ども一人ひとりの特性に応じた対応は大変ですが、各施設が連携を取って、その子の将来をもっと素晴らしいものにできたらステキですね。
 
※漢字表記については、厚生労働省および政府広報などに合わせて「障害」とさせていただいておりますが、「障碍」「障礙」「障がい」とも表記されます。
 

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参考資料

発達障害や学習障害の子ども達をサポートするLeaf
発達支援つむぎ
発達障害・知的障害の特徴をチェック!
mamari
エンジョイ!保育
福祉教科書 保育士完全合格テキスト 上 2015年版
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