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厚生労働省が、少子高齢化で福祉人材の確保が難しくなることを予想し検討している、保育士や介護福祉士など福祉に関する資格の”一本化”。これに対しては介護・福祉・保育の現場で働く方からの反発の声も挙がっています。今回は保育士さんを中心とする100人の読者さまを対象に、賛否を伺った独自調査結果を発表します。

資格の統一について回答者の約8割が反対と回答

困り顔の女性
まず、保育士や幼稚園教諭をはじめとした読者さま100人を対象に、福祉資格の一本化に賛成か反対かを質問したところ、77.0%の回答者が反対と回答する結果になりました。一方で賛成と回答したのは13.0%、どちらとも言えないと回答したのは10.0%でした。
 
資格一本化の賛否グラフ

◆どちらとも言えない理由◆
メリット・デメリットがイマイチ見えない。(30代女性)
初めて聞いたのでよくわからない。(30代女性)
多様な福祉のニーズにこたえるには幅広く知識を身につけるべきではあるが、行政はそれなりの報酬や補償や地位も検討すべき。(40代女性)
保育所と老人ホームが一緒になった施設で働きたいので、良いかとは思うが、専門性が異なるものを同じにするのはどうかとも思う。(20代女性)

 

賛成派、反対派それぞれの意見とは?

困惑する保育士さん
次に賛成派、反対派それぞれにその理由について伺ってみました。

◆賛成派の意見◆

賛成の理由グラフ

◆その他の理由◆
資格を取りたいと感じるから。(20代女性)

 

◆反対派の意見◆

反対の理由グラフ

◆その他の理由◆
保育や介護などそれぞれ専門性があり、簡単に統一できるものではないと思う。(30代女性)
どういった仕事内容を想定して資格を統合しようというのか理解できない。(40代女性)

 

行政に伝えたい!働く保育士さん介護福祉士さんの思い

怒る女性
自由記述の形式で、福祉資格一本化についてのご意見を募ったところ、大変多くの貴重なご意見が集まりました。一部ではございますが、頂いた内容をご紹介します。

現場のことを考えて!
現場のことを考えていない。まずは自分たちが見学及び働いてみて、現場の現状や違いを自分の目で確かめてほしい。(30代女性)
行政は負担が増えることを考えている?
現場を知らない人たちの机上の空論、理想論を押し付けないでもらいたい。厚生労働省政務官の地元の議員さんに意見を言ったら、「現場の職員の負担が増えることは、このアイディアでは考えていません。」と言われ呆れました…。(20代女性)
人の使い回しでは…?
保育や介護、それぞれの違いがあるからこそプロフェッショナルな専門職として確立してきたのに、それを1本化するというのは人の使い回しにしかならない。(60代女性)
同じようでも重要性がそれぞれ異なる!
排泄、食事、日常生活全般のサポートをすることはどちらの資格も同じですが、排泄一つでも子どもと高齢者とでは重要性は異なります。幼稚園教諭、保育士、介護福祉士の資格を持っていますが統一は反対。(20代女性)
そもそも人手不足の原因は…
保育士、介護士が増えないのは、重労働の割に給料が安いから。そこがわからないと人は増えないし、さらに負担が増えて逆に保育士、介護士不足になるのではないかと思う。(20代女性)
障がいなどの対応など必要性もあるが立場が低い!
医療の進歩と共に障がい児も増えている。保育や介護どちらかだけの分野では補うことができないことを感じているが、行政の求めることが増えれば、携わりたいと思っている人にとって狭き門になってしまう。一方で、広げてしまえば間違えた接し方をしてしまう…。そんな厳しく難しく、求められるものが多い割に、この分野の地位や名誉、給料が低過ぎる。そこを一緒に上げていくべきだ。(40代女性)
若い人材の資格取得が減るのでは…?
両資格ともまだまだ人材不足。今から資格を取ろうとする若い人材に、業務内容の本質的な違いと共通点を理解した上で…となると、統合により、その資格を目指す人口が減少すると予想されます。(40代女性)
質の低下は働く側も預ける側も困る…
子どもと老人では対応が全く異なると思います。それによって学ぶべき内容がかわり、統一資格にしてしまうと膨大な知識が必要となり資格を取りたくても時間がかかってしまう、お金もかかってしまう、勉強を短期で済まそうとして知識不足のまま資格を取れてしまうなど様々な問題が多いと思います。そうしたことから質の低い保育、介護となるのは働く側も預ける側も困ります。今それぞれの資格を持ち仕事をしている人は勉強をし直すのでしょうか?それはまた負担になります。絶対に反対です。(20代女性)

 

編集者より

インタビュアーの女性
少子高齢化の現在。特に過疎化の進む地域などでは、将来的には保育施設や介護施設などを統一し、少数の職員が対応を行う時代が来るのかもしれません。また福祉ニーズの多様化により、複数分野の知識を必要とするニーズも増えており、資格一本化はその対策のひとつとは考えられるのでしょう。
 
しかし、行政が施策を検討する際に、最も検討しなくてはいけないのは「現場」の状況やそこで働く人の意見なのではないでしょうか。SNSなどでも「行政にはもっと現場について知ってほしい」という、切実なご意見を目にします。
 
保育や障がいのケア、介護などについて現状をしっかりと見たうえで、それでも施策の必要性があるとなれば、行政は関係者に対しても施策の利点や懸念点について、きちんとした説明を行う必要がありますし、不安や課題を解決する他の施策の検討も必要となるのではないでしょうか。
 
微力ではありますが、編集者個人としてはこの記事が、資格一本化の課題について、現場の意見や不安を広く伝える、ひとつのきっかけになれば…と願います。
 

【アンケート実施概要】
・実施期間:2015年4月16日~5月14日
・実施対象:
 保育士(72.0%)・幼稚園教諭(10.0%)・その他保育教育関連(2.0%)
 学生(3.0%)・主婦(8.0%)・その他(5.0%)
・回答者数:100人(平均年齢:34.0歳)
・男女割合:女性/96.0%・男性/3.0%・無回答/1.0%
 
※ご協力いただきました皆さま、ありがとうございました!今回は多くの方にご参加をいただき、一部抜粋したご紹介となっていることをご容赦ください。貴重なご意見に感謝いたします。

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