頼られる先輩保育士になろう!後輩指導のコツ・方法
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新年度から初めて先輩として後輩指導をしなければならない保育士さん、まだ後輩指導に慣れていない保育士さんは、いろいろと不安や心配を抱えてしまいがちですよね。今回は、頼られる先輩保育士とはどんな人なのか、後輩指導をどうすればいいかのコツ・方法についてお伝えいたします。

みんな最初は不安だった

「自分だってまだ経験がそれほど長くはなくて日々の保育にも戸惑っているのに、後輩指導なんてできるんだろうか…?」

保育士としてのキャリア早々に後輩指導を任されてしまって、こんなふうに不安に思っている人は多いですよね。

でも安心してください。「保育士として完璧」になってから先輩になる人なんていません。保育士は、キャリア何年になっても成長しつづける、いわば完成形のない仕事。皆、不安と戦いながら、そのときそのときでその人なりのベストを尽くして、いつしか「頼りがいのある先輩」やベテランへと成長していくのです。毎日少しずつ失敗したり学んだりながら、先輩保育士の役割に挑戦していきましょう。

後輩から頼られる先輩とは?

後輩から頼られる先輩保育士にはどのような要素があるのか、考えてみましょう。

後輩たちや園側、また先輩たちが自分自身で思い描く「理想の先輩保育士像」は、あくまでも理想です。人にはそれぞれ弱点や限界がありますから、完璧にこうした姿を実現できる人などいないと言えます。

ですから、以下に挙げる要素全てを満たそうとする必要はまったくありません。自分のそのときどきのレベルや得意分野に合わせ、取り入れやすいものだけピックアップして、ひとつずつチャレンジしていってみましょう。

元気づけてくれる

元気づけてくれる

自分が新人だったときを思い返すと理解できると思うのですが、新人保育士には園での毎日のすべてが初めてのことで、何かと不安なことや落ち込むことが多いです。こうした新人を安心させて、自信を回復させてくれる先輩保育士がいたら、新人保育士にとってはとても頼りになるでしょう。

話しやすい雰囲気がある

忙しい現場でついピリピリしてしまうのは保育園ではありがちなことですが、いつもこうした雰囲気だと、新人や後輩はつい「先輩に負担をかけてはいけない」と遠慮して、必要な質問や相談を控えるようになってしまいがちです。

必要な緊張感は維持しながらも、どこかリラックスした雰囲気を保つことは重要です。保育士さんの雰囲気は子どもたちや保護者さんにも伝わるので、できるだけ柔らかい表情でいるようにしましょう。

形だけでも微笑んだ顔でいることは想像以上に効果的です。顔面フィードバック仮説という心理学上の仮説によると、「笑顔のような表情をすると感情も肯定的なものになる」ということが言われています。簡単に言うと、「作り笑顔でもなぜか気分まで明るくなる」ということです。なるべく口角を上げていることを意識しましょう。

※笑顔を作るのが苦痛なほど気持ちが追い詰められているときは無理は禁物です。そういった場合、自分の心身のケアが必要な状態なのだと考えて、自分をいたわるようにしましょう。詳細は記事後半に紹介しています。

頑張りを認めてくれる

後輩の仕事をまめに見ていて、具体的に出した結果だけでなく「普段の頑張り」自体にも目を向け、「よく頑張っているね」と褒めるようにしましょう。

細かなことも目ざとく見つけて褒めてくれる先輩がいると、後輩は先輩を信頼して自信を持ち、先輩からの期待と愛情に応えようと感じてくれるようになります。

※無理に褒める必要はありません。自分が新人だったときにこんなふうに褒めてもらえたら嬉しかったな、元気が出て頑張れたな、と思う部分を想像してみて、無理のない範囲でまめに声をかけることを心がけてみましょう。

トラブル時に助けてくれる

トラブルに巻き込まれたりしたときに全力でかばってくれたり、味方をしてくれたりする先輩には、多くの人が信頼してついていこうと思うものです。それでいて人によって感情や損得で態度をコロコロ変えることはなく、誰に対しても平等に優しい、という要素が加わると、より先輩としての説得力はアップするでしょう。

指導するのがうまい

指導するのがうまい

どうすれば後輩の力を最大限に引き出せるかを考えて指導してくれる先輩は、後輩にとっては安心して身を任せられる人です。こうした先輩は「できる後輩」を育て、園全体の保育の質やレベルを向上していくこともできるでしょう。

指示が簡潔・具体的でわかりやすい

後輩を嫌味やほのめかしで操作しようとネチネチ言うような先輩には後輩はついてきませんし、「見て盗め」「自分で考えろ」とはじめから突き放す方法では、右も左もわからない新人を効果的に育てることはできません。

忙しい保育の現場では後輩指導をつい面倒に感じてしまいがちですが、少しだけ立ち止まって。自分が新人だった頃を思い出して、自分で判断して動けるようになるまでにどんなサポートが欲しかったかを考えてみましょう。

短い言葉で具体的にわかりやすく指示し、後輩がステップを一段ずつ上がってくるのをサポートする、そんな先輩を目指しましょう。

例)

×「こんなときどうしたらいいかわかってるよね?」
○「来訪者がいらしたときには素早く笑顔で対応してね」

×「説明しないでも見て理解しなさい!」
○「ごめん、いま忙しいからとりあえずやってみせるね。注意して見てて。質問はあとで答えるけど、時間とれなかったらごめん」

感情的に怒るのではなく、的確に叱ってくれる

感情を発散させるために怒ったり、後輩の人格を否定したりせず、的確に叱ってくれる先輩は信頼されます。

的確な叱り方のモデルとして、以下の3ステップが挙げられます。

1.後輩の人格ではなく特定の行為のみを問題としたうえで
2.それがなぜいけないかの理由を示し
3.問題を解決するための代替案を示す

的確な叱り方のステップを理解するために、保護者さんへの連絡帳の渡し方について叱るケースを例に挙げて考えてみましょう。

×
常識がないわね。(曖昧)
だからあなたはだめなのよ。(人格の否定)
どうしたらいいかは自分で考えなさい。(いけない理由と代替案がない)」


「保護者さんに連絡帳渡すときに片手で渡してたけど、これは良くないよ。(1.行為のみを問題にする)
片手で渡されると保護者さんは自分がぞんざいに扱われてると思うかもしれないよ。(2.いけない理由を明示)
これからは少し丁寧さを出して、両手で渡すようにしてね。これは園長先生とかの目上の人にも使えるから、覚えておいて(3.代替案を示す)」

最初はなかなか難しいかもしれませんが、できる範囲で構いません。少しずつ意識していってみましょう。

尊敬・信頼できる

尊敬・信頼できる

頼られる先輩保育士であるには、人間として・先輩として尊敬・信頼できて、「こんな保育士になりたい」と思わせるような人であることも必要です。

これは簡単なノウハウで一朝一夕に身につけられるものではありません。保育士としての全体的な成長が欠かせないので、実はここが最も基本かつ、最も難しいところかもしれません。

プロとしての信条が明確

言動に筋が通っていて、日々の保育に関するその人なりの信条が現れ出ていると、後輩から見てもとてもカッコよく見えますよね。

子どもの自主性を精一杯重んじているとか、衛生管理を一番に大事にしているとか、信条は人の数だけあると思います。自分はここだけは譲れないし誰にも負けない!というものをひとつ持っておくといいかもしれません。

チームの一員としての責任感がある

クラスとして、または園全体として何かを達成しなければならないときに、自分に与えられた責任をきちんと果たす人は尊敬されるでしょう。

プレッシャーのかかること、少し面倒くさいことからはつい逃げたくなるのが人の常ですが、プロは所属する組織全体の益のために動くことができます。そんな責任感のある人になれれば、後輩も全力でついてきてくれるはずです。

有言実行

後輩に対してああしなさいこうしなさいと指導するときには、もちろんそういった点を自分できちんと実践できていなければ説得力がありませんよね。

常に成長する背中を見せてこそ、後輩たちもそれを追って成長しようとするものです。後輩に対して指導をすると同時に、自分自身がまず先に良い保育士であろうとすることを忘れないようにしましょう。

感情のコントロールがうまい

保育のプロは、トラブル時にもうろたえて怒ったり泣いたりしません。どんなときも冷静沈着に対処できます。腹が立ってしまったり悲しくなったときもいつまでも感情的に引きずらず、パッと後腐れなく切り替えられます。

このように感情が安定している先輩保育士がいると、後輩だけでなく子どもも保護者さんも安心して園に身を任せられるようになります。

余裕が持てないときは自分を大事にして

後輩を落ち着いて指導するには、まず先輩であるあなた自身の心身が元気である必要があります。自分をいろいろと鼓舞してみてもなんとなくうまくいかないときは、自分をいたわるべきタイミングなのかもしれません。

以下に、自分をいたわるための方法を説明した過去記事を紹介します。行き詰まりを感じたときには参考にしてみてください。

落ち込みがちな保育士さんに!マインドフルネス実践のススメ | 保育のお仕事レポート

悩める保育士さんへ―「セルフ・コンパッション」でもう落ち込まない! | 保育のお仕事レポート

保育士としての成長を目指して、少しずつ「先輩」になろう

いまはベテランの先輩保育士さんも皆、初めて先輩保育士になったときは慣れなくて戸惑っていました。でも、それでも少しずつ先輩やベテランになっていったのです。子どもたちや後輩を成長させながら、自分自身も保育士として成長することを楽しみに、一歩ずつチャレンジしていきましょう!

参考資料

保育のお仕事
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