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近年保育の現場における「ソーシャルワーク」の必要性が高まっています。しかし「そもそもどんなもの?」「仕事にどう役立つの?」そう思われる保育士さんも多いよう。今日はソーシャルワークの概要や保育現場への必要性、知識の活用例や学習法をお伝えします。

知っていますか?《ソーシャルワーク》

ソーシャルワークとは、課題を抱える人の相談に乗ってその人が必要とする社会資源を探し、専門知識に基づいたカウンセリングや援助をすることで課題の解決をサポートする活動のことです。
ファイルを持つ保育士の女性

なぜ保育にソーシャルワークが求められるの?

家庭環境などが複雑になったため

子どもたちを取り巻く環境が複雑になっている今、相談支援において保育の助言だけでなく、家庭問題の解決への助言が求められることも増えています。中には他の福祉サービスへの案内など、保育士の経験や保育の知識だけでは対応が難しい場合も。そのような際にはソーシャルワークの知識や技術の活用が有効です。

地域の子育て支援の機会が増えるため

児童福祉法の改正で、保育所は入所者以外の地域の子育て支援も行う必要性が定められ、子ども子育て支援新制度では地域の子育て支援を積極的に行う認定こども園の普及が図られています。相談支援の機会が増えるという意味でも、保育業界でのソーシャルワークの必要性はますます高まると言えるでしょう。

ソーシャルワークの理論は保育でこう活かす!

ソーシャルワークにおける考え方を実際の保育にどのように活かせるのか…一部ご紹介しましょう。

◆課題中心理論・アプローチ◆

ソーシャルワーカーが利用者と定めた目標に対し課題を設定し、限られた時間の中で取り組む手法。

【保育の現場では…】
子どもの成長を目指す中で「みんなとあいさつできるようになろう!」という目標を設定するとします。その達成のために課題を3つ作ります。

(例)
1…鏡の前で1分練習しよう
2…友だちと目があったら笑ってみよう
3…友だちより早くあいさつしよう

このように達成可能な小さな課題を作ることで、目標達成を支援できます。

◆ナラティブ理論・アプローチ◆

人々が語るナラティブ(物語)に焦点をあて、心理的治療を行う手法です。

【保育の現場では…】
何をやってもうまくいかない、とノイローゼ気味の保護者に遭遇したとします。まずは保護者の話を傾聴し、「再構築」してあげましょう。

(例)
「あんなこともあった」「こんなこともあった」だから自分はダメな保護者だ…という物語を、「こんなこともあった」「あんなこともあった」けれど今までにこんな努力し、こうなりたいと思っている…と前向きな物語に再構築する支援をしてあげることで今後どのようなストーリーで生きていったらよいか、一緒に考えていきます。

◆エコロジカル理論・アプローチ◆

人の抱える問題は、人と周りの環境の相互作用によって起こり、双方の関係改善を働きことで問題解決を目指そうとする手法です。

【保育の現場では…】
まず問題が発生したらその環境を知るために図(エコマップ)に書き出してみます。全体の関係から問題がどの部分の摩擦で生じているか分析します。

(例)
暴力的な児童がいたとします。保育士さんは暴力的になってしまうことに「言語化することが苦手」「母親の暴力の影響」などの背景要因があることを分析し、母親との関係などの改善から問題行動にアプローチしようと試みます。場合によっては関係機関とのネットワークを活用し必要なサービスを提供するなど、いろいろな支援方法で課題解決を図ります。

今後の業務&キャリアのためにもっと学ぶには?

【休みに短期集中!】研修・セミナーで学ぶ!

指揮棒を持って教える保育士

休日を使って短時間でポイントを学びたい!テキストで学ぶのが苦手…という方には研修やセミナーがオススメ。大学の公開講座などでも扱われることがあるので、定期的に調べてみましょう。

【空いた時間でじっくり】書籍で学ぶ!

自分のペースで学びたい…という方には書籍がオススメ。おやすみ前の10分など短時間でも学習でき、自分に必要な部分だけ情報収集できるのは、忙しい保育士さんにとってうれしいですね!


▲ ソーシャルワークの理論やアプローチが、事例やイラストを通してわかりやすく解説されています。実践事例も載っており、すぐに保育のお仕事に活かすことが出来ます!



▲ 概念からしっかりというよりも、すぐに現場で活かしたい方向け。保護者対応がイラストで分かりやすくまとめられています。



▲ 理論や分析まで詳しく書かれています。保育士養成過程の援助テキストとしても活用できるよう「理論編」「実践編」に分かれているのが特徴。

【将来を考え本格的に】社会福祉士の資格取得を目指す!

社会福祉士(ソーシャルワーカー)とは

社会福祉士はソーシャルワークを提供する専門職(ソーシャルワーカー)の国家資格です。高齢者、児童、生活困窮者などに対して、専門知識にもとづきカウンセリングや援助を行うのが主な仕事です。福祉や心理学、法律など幅広い知識を身につけるため、保育業界のみならず、教育、医療、福祉など様々な業界へ活躍の可能性を広められます。

社会人でも学べる通信教育

社会人向けに通信教育メインで学習できるプログラムもいろいろあります。予算や時間に応じて検討してみては?

◆ユーキャン◆
【講座名】社会福祉士合格指導講座
【履修期間/費用】自分のペースで学べる/総額59,000円
《詳細はコチラ》ユーキャン

▲ テキストと補助教材、添削だけで学習を進めるコース。動画で解説がみられる、メールでの質問が出来るなどフォローもしっかりしています。決まったスケジュールが無く、短期集中、長期いずれでも学習できます。


◆東京福祉保育専門学校◆
【講座名】社会福祉士養成通信課程
【履修期間/費用】1年10ヶ月/総額168,000円
《詳細はコチラ》日本福祉大学通信教育部

▲ 自宅学習とレポート提出、スクーリング、実習が組み合わさった学習プログラム。費用には別途テキスト代と実習費がかかるので問い合わせてみましょう。


◆NHK学園福祉教育広域通信制◆

【講座名】社会福祉士養成課程
【履修期間/費用】
短期養成科/1年制/総額400,000円~
一般教養科/2年制/総額590,000円~
《詳細はコチラ》NHK学園福祉教育広域通信制

▲ 自宅学習とレポート提出、スクーリング、実習の組み合わせで資格取得を目指す短期プログラム。短期養成科と一般教養科があるため、都合に合わせて選択可能です。

編集者より

現在児童養護施設や学校にソーシャルワーカーが配置される動きがあり、場合によっては保育施設にもこの動きが広まっていく…ということもあるかもしれません。

保育士として生涯働く場合も、ソーシャルワーカーとしての道を検討する場合にも、今学んでおくことは役立つのではないでしょうか。業務の忙しい中の学習は大変だと思います。自分のペースで学習できる最適な方法を選ぶことが大切ですね。
 

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参考資料

《参考》親と子のメンタルヘルス研究所

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