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ストレスの多い現代社会では、うつ病になってしまった、過労がもとで体調を崩してしまったために、退職や転職を考えることもあるでしょう。もちろん療養は必要ですが、いざまた仕事をしようと思った時に直面するのが、「退職理由を伝えるか否か」という問題。今回はこの問題の解決方法を探っていきます。

既往歴(これまでにかかった病気)は重要な個人情報!

悩む保育士さんと赤ちゃん
「センシティブ情報(機微情報)」というものをご存じでしょうか。これは個人情報の中でも、その情報が他の人に知られることで社会的な不利益を受ける可能性のある、いわばあまり知られたくない情報のことを言います。

◆機微(きび)情報にあたるもの(JISQ 15001より抜粋)◆
●思想、信条又は宗教に関する事項
●人種、民族、門地、本籍地(所在都道府県に関する情報を除く)、身体・精神障害、犯罪歴その他社会的差別の原因となる事項
●勤労者の団結権、団体交渉その他団体行動の行為に関する事項
●集団示威行為への参加,請願権の行使その他の政治的権利の行使に関する事項
●保健医療又は性生活に関する事項

つまり持病やうつを含む精神疾患は、このうち保健医療の項目に当てはまるため、非常に扱いに注意しなくてはならない機微情報であると言えます。

機微情報は収集しても問題ないのか…?

実は個人情報保護法では、「センシティブ情報」の定義が難しいことなどから、特に取得を禁止するような項目は設けられていません。したがって、ヒアリングシートや面接で、病歴(HIVやB型・C型肝炎など特定の疾患を除く)を問うこと自体には、法的な問題はないということになります。

ただし、個人情報保護に関するマネジメントシステムの日本工業規格であるJISQ 15001では、機微情報の取得、利用または提供を原則として行ってはならないこととしています。また事業所のプライバシーポリシー、個人情報保護方針などに、そういった機微情報の取得に関する記載を行っているケースもあり、その場合には、人事担当者もそのルールに従う必要性があります。いずれにせよ、機微情報は、書面でその利用目的を明示する、第三者に伝える際には承諾を得るなど、慎重な対応が必要なものであると言えるでしょう。

ちなみに【保育のお仕事】でも個人情報保護方針に、目的の範囲内に限り、個人情報を収集すること、お客さまにご承諾いただいた場合を除き、第三者に対しデータを開示・提供しないこと、また原則として、機微情報を収集しないことなどを明記しています。

原則として、人材紹介の際にもうつかどうかを問うことはしませんし、先方の人事担当者に伝えることはありません。ただし「知られなければ大丈夫」なのではなく、ご自身でしっかりと病状と向き合い、働けるのかどうかしっかり検証することは不可欠であることを認識しておきましょう!

自分の病歴…面接で言う?言わない?

薬のイラスト
ではここからは、ご自身の精神疾患を含む病歴を、選考の中で話すか否かについて、考えていきましょう。まず診断をそもそも受けておらず、体調を崩したりストレスがもとで辞めたりした場合、特にその理由を明確にする義務はありません。ただし、例えば月の法定時間外労働の倍も残業があったため体力的に厳しかったなど、正当な理由があれば、伝えたうえでどのような働き方を目指したいか、話しても良いでしょう。

◆完治して業務にまったく支障がない場合

完治しており、再発の可能性も低く通院もない場合には、自己申告は必ずしも必要ではありません。先方もせっかく採用した人物が入社後すぐに辞めてしまう、休職してしまうリスクは極力減らしたいため、病歴を伝えることで不利になるケースがあります。

どうしても申告したい場合には、現在勤務に支障がないことを、きちんと説明する必要があります。ストレスを溜めない生活習慣を心がけていることや、現在の非正規雇用を含む業務従事状況などをもとに、業務上まったく問題がないことに対する信憑性を持たせることも大切です。また、この後ご紹介する医師の診断書などを提示しても良いでしょう。

ただしこの場合にも伝えることで一定のリスクがあることは念頭に置いておくようにしてくださいね。

◆通院や勤務中の服薬が必要な場合

勤務に問題はないけれども、完治はしていない、服薬や通院が必要だという場合には、やはり正直に伝えて相談することが必要でしょう。誤飲を防ぐ為にも薬の管理についてはルールを決めておかなくてはならないこともありますし、場合によっては通院などの関係で、雇用形態を検討しなくてはならないこともあります。

この場合にも、勤務には支障がないということを伝える必要があります。無理をして新たな仕事に就くことは、自分自身の体にとっても、先方にとっても良いことはありませんので、その場合はしっかりと療養することが必要になります。

◆既往歴を先方に聞かれてしまった場合

利用目的などをきちんと提示され、例えば「内容に虚偽があった場合には、採用を取り消すことができる」などの同意書に署名をする場合などには、後に虚偽申告が明らかになった場合に、何らかのペナルティを受ける可能性も否定できませんので、注意しましょう。特に現在も治療中である場合には、正直に伝えておくことが必要です。

業務に問題がないならば「多分大丈夫だと思うのですが…」といった曖昧な表現はNG。問題なく勤務できる旨をしっかりと伝えようホィ!

伝えるならば働けるという診断書も有効

筆記用具のイラスト
どうしても既往歴を伝えなくてはならない場合には、主治医と相談のうえ、業務に支障がない旨の診断書を出してもらい、提出するのも良いでしょう。「業務には支障がありません」と言っても、先方としては判断材料がなく、不安が残るところ。そういった場合に大きな判断材料となるはずです。

勤務に支障をきたす可能性があるならばまずは療養を…

ハートのイラスト
当たり前のことですが、仕事をする上では体こそが資本です。前向きに働きたい気持ちがあるのは、とても良いことではありますが、例えば入職して3カ月も経たないうちに辞めてしまうのでは、先方にとっても、せっかく転職されたご自身にとっても実りのない結果となってしまいます。

もしも再発の可能性がまだ高い、症状が安定しないという場合には、今は無理をせずに療養に専念しましょう。自己啓発のために通信教育などで勉強をするのも良いですね。

焦る気持ちがあるとは思いますが、短期間で転職を繰り返すことは、職歴を汚してしまうことにつながり、状況を更に悪化させてしまいます。そのリスクをしっかりと考えたうえで、機会を待つことも大切です。

編集者より

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既往歴を正直に伝えて今後への意気込みを伝えるか、伝えずに別の転職理由を用いて選考に挑むか…転職活動において、「これなら必ずうまくいく!」といった王道は存在しません。

その時の状況に応じて、ご自身が今後どうしたいかといった意志を尊重して、慎重に方法を選んでいきましょう。ただし先にもお伝えした通り、ムリは禁物。また病気の原因が業務にある場合は、同じ状況に陥らないかどうかもじっくりと検討する必要があります。

自己分析も事業者研究も、より綿密に行う必要がありますが、段階をきっちりと踏むことで、生き生きと働ける環境に近づくことができるでしょう。

皆さまが、笑顔で仕事ができる職場に巡り合えますよう、応援しています!

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