保育ノウハウ

色水シアターって知ってる?!色の変化が楽しめる遊びのアイデア

“色水シアター”をご存じでしょうか?透明なペットボトルに色水を入れ、他の色水を混ぜることで次々と色彩が変わっていく…子どもたちが色への興味をもち、その変化の中で、おはなしを楽しめるのが”色水シアター”の特徴です!本日はその魅力とともに、作り方や演出アイデアをご紹介します!

色水シアターってどんなもの?

エプロンシアターやパネルシアターなど、保育園ではさまざまな素材を舞台にした劇がありますが、”色水シアター”もそのひとつ。その名のとおり、ペットボトルに入れた色水を用いて物語を展開していく一種の演劇です。

色水シアター
色水シアターで使うのは、絵具や食紅などで色を付けた水を入れたペットボトルと、白い画用紙にキャラクターの姿の切り抜きを入れ、作成した筒状のカバー。これを複数作って、別々の色水を入れた状態でスタートし、他の色水を混ぜていくことで、色彩の変化が楽しめるようになっています。

【ねらい】子どもの成長に役立つポイントは?

ワンポイントアドバイスをする保育士
色水シアターを活用して、子どもの成長のさまざまな援助ができます。

感動・気づきを与える
色の変化に驚き、色水どうしを混ぜると他の色ができることに気づけます。また色同士を混ぜる場合でも、それぞれの色水の量が違うと、できる色合いが微妙に異なることに気づけます。
興味・想像力を引き出す
「この色とあの色を混ぜたらどうなるんだろう?」「この色に黄色を混ぜたら、こんな色になるのでは?」おはなしを進める中で、子どもたちが色の変化に興味を持ち、自ら想像しながら楽しめます。
自発的な行動を引き出す
シアターが終わったら、子どもたちにも色水を混ぜることを体験してもらえば、興味関心を具体的な行動で確認し、新たな発見ができるでしょう。
表現力や語彙力アップにつながる
色水シアターで学んだ色の配合を、絵画など制作活動に活かすこともできます。また色彩に対する理解や関心も深まり、色の名前をしっかり覚えるきっかけにも。

また、応用として、例えば色水の素材に草花をすりつぶしたものを使えば、色水を作る過程のなかで、草花をすりつぶすと色が出ることに気づいたり、材料が違うとできる色が違うことも学べるでしょう。
 

▲ 色水シアターではありませんが、子どもたちが色水を使って興味津々で遊んでいます。色を混ぜる時の目はとても真剣!
 

おばけがさまざまな色に変身!基本の色水シアター


色水シアターの概要がわかったところで、以前保育雑誌にも掲載されていたという、おはなしの展開例をひとつご紹介しましょう。

必要な準備
1 カラーインクや絵具で、赤、青、黄の色水を作ります
2 ペットボトル6本を用意し、赤、青、黄の色水を各2本ずつ入れます
(2本のうち1本は満タンまで、もう1本は半分まで色水を入れます)
3 白い画用紙におばけの形の切り抜きを作り、筒状にしてペットボトルカバーを作ります。これを6つ作成し、(2)の色水の入ったペットボトルにかぶせます。
4 クライマックス用に、ペットボトルを6本並べて置いた大きさに合わせ、ボール紙などに、おばけの切り抜きを施しておきます。
【変身!おばけ】の演出法
1 赤・青・黄のペットボトルを6本、横に並べます。 あか・あお・きいろのおばけが6匹!変身あそびをはじめるよ!
2 半分まで色水を入れた黄色のボトルに、満タンまで色水の入った赤のボトルの中身を注ぎます。※じょうごがあると便利!
きいろいおばけとあかいおばけが、仲良く遊んで変身!あれあれ、きいろいお化けが、オレンジおばけになっちゃった!
3 (2)と同じように、青いボトルに黄色、赤いボトルに青を注いで、テンポ良くおはなしを展開していきます。 (セリフは色の名前を変えるだけでOK!)…あおいおばけが、みどりおばけになっちゃった!/あかいおばけが、むらさきおばけになっちゃった!
4 6色のボトルを横一列に並べて、カバーをすべて外します。そのあとボール紙で作った大きなおばけの台紙を、ボトルの前にかぶせます。
あか・オレンジ・きいろにみどり、あおにむらさきの色水おばけ…みんなが合体して……みてみて!いろいろおばけに大変身!

ひと工夫!こんな演出はいかが?


あらかじめ作った色水をペットボトルに入れるのも良いですが、少し工夫すれば、マジックのような演出もプラスできます!色水シアターの導入に…子どもたちの目を、きっと引き付けられるでしょう。

【魔法の水】の演出例
1 ペットボトルに水を入れます。
2 あらかじめペットボトルのフタの裏側に、絵具などを塗っておきます。
3 そっとフタを閉め、同じ要領で複数の色を準備して並べます。
4 子どもたちに透明な状態で見せたあと、ペットボトルを振れば…あっという間に色水に変化!子どもたちにボトルを振ってもらっても良いでしょう。

【魔法の水】演出の応用例

色水どうしを混ぜていく色水シアターの導入だけでなく、この演出のみでおはなしを構成することもできるでしょう。

【魔法の水】の応用例
◆不思議の国のアリス/ハートの女王のバラ
ハートの女王は赤が好き。場内に白いバラがあるのを許せないワガママな人物です。この設定を活用して、白いバラを赤に変えてあげましょう。
ふたの裏には赤い絵の具を塗り、水を入れたペットボトルには、外側が緑、内側が白となるように張り合わせた画用紙に、バラの形の窓を作ったカバーをかぶせます。

白いバラが、ペットボトルを振ると赤に変化!絵具の種類によってはピンクに見えてしまうので、カラーインクに変更したり、絵具の量を増やしたり…調整しましょう!

編集者より


子どもたちにとって、色と色が混ざり合って、新しい色になるというのは、まるで魔法のように不思議なものでしょう。楽しいストーリーとともに、そんな不思議な色彩の変化に触れれば、きっと子どもたちに良い刺激となるはずです。絵画などの表現力アップや、考える力を育てるきっかけにもなる”色水シアター”。皆さまの園でも、ぜひ取り入れてみてくださいね!

参考文献・サイト

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